日本で最も大きい北海道
日本の都道府県の中でも、最も広大な土地を抱えているのが北海道です。
あまりに大きな土地になっているため、分割するという話が絶えませんが、実際に地域特性も東西南北で異なり、同じ北海道でも全く違う地理的条件を持っています。
人気のスポットも多数抱えており、雄大な自然もその魅力のひとつとなっていますが、179の自治体のうち140余りは過疎地域になっているという問題も出てきているのです。
人口の偏りが激しく出ているため、薬剤師も著しく偏っています。
薬局の数ということを見ると、1件もないという町村が30以上あるという調査結果もあるほど深刻な問題となっているのです。
これは、単純に薬が手には要らないというだけではありません。
今ではネット通販などで手軽に薬を手に入れることもできますが、服薬指導をその場で受けることができないということにつながるでしょう。
わざわざ隣接する町村に移動しなければいけないのです。
借りに移動できても問題があります。
その町村にも薬剤師がいないということもあるからです。
実際に、薬局からの薬剤師の派遣要望は50%を超えます。
半数の薬局では薬剤師が不足しており、維持するのも困難な地域があるのです。
広大な地域だからこそ抱えてしまう、大きく深刻な問題だといえるでしょう。
そこで、全国でも例を見ない措置として、地域医療支援センター薬局を設置し、薬局の存在しない地域への供給源としました。
基幹薬局を指定したことで、こうした供給線を活用し、さまざまな支援体制の構築を目指したのです。
ですが、根本的に薬剤師不足が解消されたわけではなく、基幹薬局を置くような地域では、さらに薬剤師が不足するという状況が出てきています。
人口が集中する札幌市と年収相場の地域格差
薬剤師の偏在ということでは、札幌市に集中し、大きく偏っています。
人口比率の問題もありますが、巨大都市の札幌には多くの医療機関が存在し、薬局が活動しているといえるでしょう。
実際に薬剤師が住んでいる場所も札幌市に集中しており、地域格差を拡大させています。
需要と供給のバランスからも、札幌市の年収相場は400万円前後と決して高くはありません。
他の都道府県の人口密集地から考えても低い方でしょう。
それでも、生活圏ということが大きく影響し、札幌市に集中してしまっているのです。
結果として、他の過疎地域では薬剤師不足が深刻であり、年収相場を引き上げています。
700万円といった年収相場を示している地域もあるほどで、大きく差が開いているのです。
それでも薬剤師不足は解消することができていないのですから、いかに北海道という地域が広大で、生活圏ということが影響していることがわかるでしょう。