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マツモトキヨシ「タッチパネル型ゲームコンテンツ」を導入

変わるドラッグストアの置かれる立場

全国的に薬剤師不足が深刻な問題になる中、ドラッグストアの立場も大きく変化してきています。
これまで、OTC薬の販売ということでは、そこまで大きな競争があったとは言えません。
ですが、調剤薬局のマーケットも変化し、多業種同様の競争になってきたのです。

OTC薬を含め、販売する際に割引などの特典をつけ、価格戦略に打って出るということはドラッグストアにはありませんでした。
それ以上に、信頼できる薬が必要であるという心理が働いたからです。
しかし、ドラッグストアという存在は、日常品も扱う業態であり、競争が激化してくると、必然的に差別化の必要となったといえるでしょう。

そんな中で、全国展開しているマツモトキヨシが今までとは異なる差別化を図り始めました。
実際にOTC薬などにポイントを付与し、差別化を図っていたことは周知の事実でしょう。

こうした割引に関する問題は根深く、ダンピングなどもあります。
価格競争が始まることが、薬ということに関して正しいことなのか、倫理的な部分も抱えているでしょう。
そこで、顧客に優良な時間を過ごしてもらうという、マツモトキヨシが価格戦略以外のことで差別化を図ったことが話題となったのです。

差別化を進めなければならない競争の激化

マツモトキヨシが打った戦略は、買い物中などにどうしても飽きてしまう子供たちに対して、タッチパネル型ディスプレイを置いた待合スペースを提供することです。
こうした取り組みは、自動車販売店などでも行われてきました。
さらに、子供向けゲームコンテンツを導入することで、薬剤の受け渡しの完了まで、こどもたちは楽しく、親としては安全で安心して預けられる空間を提供したといえるでしょう。

もともと、こうしたスペースを提供している店舗もありましたし、絵本やぬいぐるみ、おもちゃといったものをおいてあるところは珍しくありません。
それこそ、自動車販売店のように、数多くの業態でおこなっていたでしょう。
調剤薬局として、全国初の試みとして、タッチパネルを導入し差別化をはっきりと打ち出したのです。

コンテンツとしても、子供たちの目線なども考慮し、間違い探しやカード合わせといった、簡単に遊べるだけではなく、直感的に理解できるものになっています。
さらに、マツモトキヨシという店舗の宣伝も戦略に取り入れ、自然と差別化を進められるようにしているのです。

こうした戦略は、飽きられてしまうと効果を失います。
テレビを置き、アニメのビデオを上映する方法が良くとられますが、あまりに単純な繰り返しにしてしまうと、子供たちは飽きてしまいその場にとどまりません。

こうなると、逆に問題が多く発生してしまうのです。
その対策として、コンテンツの入れ替えや追加もすでに検討されていますので、マツモトキヨシが、本気で差別化に取り組み始めたということがわかるでしょう。
それだけ、ドラッグストアを取り巻く環境は、激化の一途をたどっているともいえるのです。